●山口新聞(2019年8月9日(金))東流西流⑥「先生を支援する」
先生を支援する
EAP(従業員支援プログラム)の仕組みを、教職員を例にとって説明します。相談したいことが出てきたとき、配布されている教職員互助会「メンタルヘルス・ポケットブック」相談券を使うと3回、自己負担なしで相談ができます。それでも問題が解決しないときには、前述の「ポケットブック」に記載されているフリーダイヤルに電話して手続きすると更に5回、面接相談を継続できます。年間に合計8回。年度を跨げば連続して16回、臨床心理士との面談が自己負担なしで可能となります。これだけの回数の面接相談を継続すれば、多くの場合、最初の問題は解決します。誰が相談に来ているかは、職場に分からないようになっています。相談の秘密は厳守されます。相談内容によっては臨床心理士の方から医療機関をご紹介することもありますし、その逆のケースもあります。
このように先生方を手厚く支える制度は整えられつつあります。後は活用するかどうかです。この制度が積極的に利用されていくことで、個人も職場も更に元気回復できます。先生が元気でないと、子ども達に良い教育はできません。学校こそ健康経営の視点が重要です。教職員対象のEAPは、先生を支援することを通して、子ども達を幸せにする制度です。 (周南市、とね臨床心理士事務所代表)
https://www.minato-yamaguchi.co.jp/yama/touryu/2019/7-8/touryu0809fri.html