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家事労働をすると「メンタル(精神力)」が強くなる
山口県スクールカウンセラー 臨床心理士 刀根良典 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
これまで、多くの子供たちを見て来て分かったのは、家事労働をする子は、精神的に強い子が多いということです。これは教育現場で生徒指導をしてきた多くの教師が実感する「経験則」でもあります。
早寝早起きで、清掃をする非行少年を、私は一度も見たことがありません。
私はカウンセリング場面で、お子さんがご家庭で、どのくらい親のお手伝いをしているか聞いています。家事労働の習慣のあるお子さんは、そのときどんなに悩みが深くても、働くことをとおしてストレス耐性が培われているため、しばらくすると自分で悩みを乗り越えていきます。
その反対に、家事労働の習慣のないお子さんを立ち直らせるのは、相当に本腰を入れないと難しいことが多いという実感を持っています。
「働く」ということは、ゲームや遊びのように面白いことではありません。面白くないだけでなく、ときには辛いこともあります。逃げ出したいときもあります。
でも、必要なときには、嫌な事から逃げずに、辛いことを我慢して行動することができる。これが「メンタル」の強い人間の特質です。
子供には家事労働をさせましょう。そして、誉めて労をねぎらってやりましょう。この積み重ねで、少々のことではへこたれない、「メンタル」の強い、頼りがいのあるお子さんに成長します。今からでも遅くはありません。まだ間に合いますよ。