ネガティブ・ケイパビリティー(negative capability)という考え方
臨床心理士 刀根良典
何かの問題が起こってしまい、それがすぐには解決できない。分からないことや解決できないことが多すぎて、すぐにはどうにもならない。いろんな方法を試してみたが、どうしても解決できない。
そんなときは「ネガティブ・ケイパビリティー(陰の能力。問題を解決しない能力)」という考え方が役に立つかも知れません。
解決できない問題があったとしても、そのときのプレッシャーに負けず、日々の生活を崩すことなく、時間の経過に委ねているうちに、別の見方が開けてきたり、思いもよらない解決策が見つかったり、あるいは、解決策は見つからなかったが問題の方が先に消滅してしまったり、等々、そのときには思いもよらなかったような解決に至ることも多いです。
自分の問題だから、自分一人で解決しなければならない、などということもありません。また、「すぐに自分で何とかしなければ!」と解決を焦る必要もありません。
困ったときには、私たちカウンセラーを尋ねて来てください。話しているうちに、別の考え方が生まれたり、思いもよらない解決策が見つかったりするかもしれません。
あなたの内面に「ポジティブ・ケイパビリティー(問題を解決する能力)」と「ネガティブ・ケイパビリティー(解決を焦らない。プレッシャーにも負けない能力)」の両面が培われていくよう、お手伝いできたらいいなと思います。