森田療法理論を学習している社会教育団体に「NPO法人・生活の発見会」という市民団体があります。全国に支部組織があり、広島にも支部集談会があります。
その会の「6月定例会」で、講演のご依頼がありましたので、「教育の立場から見た森田療法」というお話をさせていただきました。そのときのことが、広島集談会のホームページに紹介されていますので、関係の箇所だけを抜粋・編集し、ここに転載させていただきます。
生活の発見会のホームページと広島集談会のホームページは、以下の通りです。
●NPO法人・生活の発見会 ⇒ http://www.hakkenkai.jp/
●広島集談会 ⇒ http://hakken-hiroshima.sakura.ne.jp/
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
NPO法人「生活の発見会」・広島集談会 平成26年6月の報告
講話 臨床心理士 刀根良典 「教育の立場から見た森田療法」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
梅雨時期に入り、蒸し暑さを感じることの多い、今日この頃ですが、体調はいかがでしょうか。
今回は、山口県で「とね臨床心理士事務所」を開いて、様々な相談にカウンセリングでサポートされている、臨床心理士の刀根良典さんを講師に招き、お話をしていただきました。参加者からは、「とてもわかりやすく、参考になる内容だった」と好評でした。
講話のテーマは「教育の立場から見た森田療法」です。
「なぜ教育の立場からなのか?」からお話は始まりました。集談会は、ただの自助グループではなく、森田療法を学ぶ場、即ち「教育(社会教育)機関」であり、森田療法は、ただ神経質の症状を治すだけでなく、自己本来の自分(あるがままの自分)を、取り戻すための人間教育である、とその理由を説明。
そして、教育では「出会い」が重要なキーポイントになり、「出会い」によって、人生や運命も大きく変わっていくと話されました。生活の発見会には「出会い」(師・会員・発見誌・集談会・オンライン学習会等など)が多くあり、その一つひとつが、参加者が運命を好転していく絶好の機会ともなっています。
講演の中で、「不安があって当たり前。人前で緊張するくらいで丁度いい。うまくいかないことを神経質のせいにすりかえない。そして、逃げないで自分の人生を全うすることを学んでいきましょう」、と語りかけていただきました。
とてもわかりやすく印象的な話として、私たちが神経症に悩んでいるときの状態を、檻に入った「犬」に例えて説明してくださいました。
目の前に鉄格子があり、その近くに餌が置いてある。餌を食べようと鉄格子の間から鼻面を伸ばすも、どうしても餌に届かず食べることができない。後ろを振り返れば背面の扉が開いていて、そこから回り込んで行けば楽に食べることができるのに、目の前しか見えず餌を食べようとあがいている・・・・。
目の前の鉄格子が神経質の症状で、後ろの扉から餌にいく方法を示すのは森田療法の教育です。
「この鉄格子(症状)さえなかったら餌(目的)に届くのに」、と鉄格子だけを目の敵にするのではなく、症状はそのままに、「かくあるべし」をできるだけ少なくして、柔軟に生きていくことを、これからも皆さんと一緒に学んでいきたいと思いました。
またお話を聞く機会を持てればと思います。
来月もご参加、よろしくお願いします。
(「広島集談会ホームページ」より転載)