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1 エグゼクティヴ(経営者・上級管理職)のための「ストレス・マネジメント」入門     ~シュルツの「自律訓練法」に学ぶ~

「こころ」と「からだ」のやすらぎ健康法シリーズ

エグゼクティヴ(経営者・上級管理職)のための「ストレス・マネジメント」入門

シュルツの「自律訓練法」を体験学習する

とね臨床心理士事務所 カウンセリング・オフィス「ZEN」主宰

臨床心理士 / 自律訓練法認定士  刀 根 良 典

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●はじめに

ただ今、ご紹介いただきました、臨床心理士の 刀根良典 と申します。現在、山口県内の小中高等学校のスクールカウンセラーとして、子どもたちや保護者、先生方の相談活動をしながら、「とね臨床心理士事務所 カウンセリング・オフス ZEN」という、私設の心理相談室を開設し、一般の方々を対象としたカウンセリング、心理相談を行っています。

さて、講演の時間も限られておりますし、その限られた時間の中で、沢山のことをお伝えしたいと思いますので、詳しい自己紹介は、この後の懇親会にまわさせていただき、早速、本題に入らせていただきます。

今日は、皆様方に「自律訓練法」という、リラックス法、健康増進法を、ご紹介したいと思います。メモをしなくてもすむように、お手元に詳しいレジメを配布させていただいておりますので、それをご覧ください。

●「エグゼクティブ」のストレス低減、潜在能力発揮には「自律訓練法」が有効

「自律訓練法」という言葉を今日、初めて聞かれる方も多いと思います。ほとんどの方が、「自律訓練法」という言葉を、今日、はじめて聞かれるのではないかと思います。

今回、なぜ、企業経営者の皆様方にお話したいと思ったかと申しますと、企業経営者や管理職、いわゆる「エグゼクティブ」と呼ばれる方々の、ストレス対策に「自律訓練法」が極めて効果が高いと思われるからです。

「自律訓練法」は、ストレス低減効果の高い、優れた方法の一つです。そのため、現在、多くの医療機関で用いられています。

医療機関で用いられていることからも分かりますが、「自律訓練法」は、様々な「ストレス・リダクション法(ストレス低減法)」「セルフ・コントロール法」の中でも極めて信頼性の高い技法です。

●長い歴史と高い実績に支えられた、エビデンスのしっかりした技法

医療分野以外では、たとえば、スポーツ選手が「あがり」を防止し、持てる能力を最大限に発揮するために、よく用いられています。1964年に開かれた東京オリンピックのときにも、選手の「メンタル・トレーニング」として取り入れられ効果が確認されています。この事実を見ましても、「自律訓練法」が、いかに信頼性が高く、また、長い歴史と高い実績に支えられた、エビデンスのしっかりした技法であるかが分かります。

子どもの教育の分野では、性格的にも、落ち着いたおだやかな人格が培われてきますし、集中力が高まったり、学習への意欲や自信が増して来ることなどが、分かっていますので、教育現場でも活用されています。

高校受験、大学受験は、子供のタイプによっては、過酷なくらいの緊張感と不安感を感じて、身動きがとれなくなってしまうことがあります。このような受験生に多い「受験ストレス」への対応策にも「自律訓練法」が有効だと思います。

また、産業分野では、いわゆる「ひやり・はっと」と呼ばれている仕事上のミスを防ぐことを目的として行われることもあります。

また、様々な職務上のストレスを緩和するためにも、「自律訓練法」は効果が高いと思われます。

ストレスが少なくなれば、精神的なエネルギーロスが少なくなるわけですから、仕事上の成果もあがってくるのは、当然のことだと思います。

変わり種では、インターネットで調べてみますと、NASA(アメリカ航空宇宙局)での宇宙飛行士の訓練にも取り入れられているようです。

たしかに宇宙飛行士は、宇宙空間という、あれだけ過酷な環境の中で、一瞬一瞬に沈着・冷静な判断を行っていくことが求められるわけですから、心身の「セルフ・コントロール」ができなければ務まりません。宇宙飛行士の毛利さんも、自律訓練法のおかげで、宇宙空間の中でも冷静な判断力を維持できたのではないかと想像します。

●最初は指導者(自律訓練法認定士、等)の元でレッスンを受ける

この「自律訓練法」はドイツで生まれました。1932年にドイツの医師シュルツによって体系化されたものです。

学術団体としては「日本自律訓練学会」があり、指導者の資格認定を行っています。

「自律訓練法」は、すでに100年近くの歴史があり、NASA(アメリカ航空宇宙局)の宇宙飛行士の訓練にも取り入れられていることからも分かりますように、現時点で最も信頼できる「リラクゼーション技法」「セルフ・コントロール技法」の一つです。

「自律訓練法」は、本や雑誌で紹介されることも多いのですが、それを読んで自分一人で習得するのは至難の業と言えます。最初は指導者(自律訓練法認定士、等)の元でレッスンを受ける方が確実だと思います。

今日の講演会では、「日本自律訓練学会」の標準テキストに基づいた正式(正統)な方法をご紹介いたします。

「自律訓練法」を習得するには2ヶ月間位のトレーニングが必要ですが、今回のような1回限りの研修会だけでも「自律訓練法」で導かれるリラックスした気持ちのよい心身の状態を、多くの方が経験されます。

ただし、リラックスした気持ちのよい心身の状態は、それだけでも健康的でとても良いことなのですが、「自律訓練法」の体系からすれば、まだ入り口にすぎません。個人差はありますが、「自律訓練法」を続けていくことで、更に、練習者一人ひとりに秘められた様々な能力が高まり、発揮されていきます。

「潜在能力」の開発という言葉がありますが、自律訓練法」を続けることで、一人ひとりの持っている力を遺憾なく発揮することも、できやすくなります。

ここ一番、というときの緊張感、不安感、ストレスなどが少なくなれば、当然、持っている能力も発揮されやすくなるのは、理の当然でございます。これは、別に不思議なことではないと思います。

「自律訓練法」の習得は、みんなで一緒にやった方が楽しいので、私の主宰しています「カウンセリング・オフィス ZEN」では、最初はグループで行うようにしています。習熟してくると、自分一人でできるようになります。

1 「ストレス・マネジメント」の有力な手法の一つとしての「自律訓練法」

さて、過剰なストレスは、心と身体に様々な「しわよせ」をもたらすことが知られています。中でも、近年、企業人のメンタルヘルス対策は、喫緊の課題となっている、のではないかと思います。

特に企業の経営者、管理職のストレスは、並大抵ではありません。加えて、企業内で管理職等の重責を担う立場に就く頃は、若いときと違って、身体に無理が効かない年齢にさしかかっています。にもかかわらず、職務上、無理をせざるをえないことが多々あります。

●エグゼクティヴ・ストレス

職場で多忙を極める中で、職務上の重責を担う経営者や管理職は、過剰なストレスを受ける職業の典型の一つと言えます。これは、一般に「エグゼクティヴ・ストレス」と呼ばれています。

ストレスは病気の原因の一つにも挙げられます。病気になったときには、速やかに医療機関を受診しなければなりません。これは、当然のことです。

その上で、日頃から病気にならないように、健康な生活を心がけ、自分に合った健康維持の具体的な方法を学び実践することは、企業人にとっては「マネジメント」の一つであると考えておくことが重要ではないかと思います。

 ●エグゼクティヴのストレス対策は「リスク・マネジメント(危機管理)」の一つ

特に、ストレス対策は「予防」「リスク・マネジメント」という視点が重要です。つまり「ストレス対策」は、企業経営から見れば「危機管理」の一つであるといえます。

現場のスタッフは、もしやのときには、どうにかすれば代役を探して入れ替えができますが、「エグゼクティブ」と呼ばれる立場の人には代役がいません。組織が危機に陥ったときにこそ「エグゼクティブ」の真価が問われるときです。どうしても、その人でなければいけないのが「エグゼクティブ」という立場にある皆様方です。

「危機管理」について言えば、危機には「リスク」と「クライシス」に分けて考え、対処することが鉄則であると云われています。危機も「リスク」の段階であれば事前に予測し、それへの対策を立てることで危機を回避することが可能です。

そこで、経営者や管理職に限らず、職業人としての重責を担っておられる方は、健康の維持増進だけでなく、よい仕事をするためにも実効性のあるストレス対処法を学んでおく必要があります。

精神的なプレッシャーに負けないで、世のため人のためになる、よい仕事をする。

今日、ご紹介する「自律訓練法」は、それを可能にする有力な方法の一つです。

「自律訓練法」が正しい方法、すなわち日本自律訓練学会が推奨する方法で実施されるとき、生命エネルギーが蓄積され、これを専門的には「トロフォトローピック効果」と呼びますが、心身の健康度が向上し、結果的に仕事をやり遂げる能力も向上してくることが期待されます。

というわけで、今日は、この研修会を受講して、まず経営者・管理職が元気になりましょう。その具体的な方法を、これからお伝えいたします。

2 「ストレス反応」と「リラックス反応」

まずは、「ストレス反応」と「リラックス反応」について、少し考えてみましょう。

まず、ストレス状態で、私たちの心と体にどんなことが起こるでしょうか。

レジメにも、書いておきましたが、次のようなことが起こると思います。

・不安感情が急に高まる

・心拍(動悸)、呼吸が速くなる

・体に急に震えが来る

・手のひらに汗をかく。全身に冷や汗も出てくる

・尿意、下痢、急な排泄・排便を催す。嘔吐する

・末梢の血管が収縮する。手足が冷たくなる

・食欲がなくなる

・生殖器の活動が停止する

・覚醒水準が高まる。(眠たくなくなる。)等

こんな状態になったら、ほんとうに嫌ですよね。でも、これは、実は、私たちが生き延びるために、とても大事な心身の反応なのです。

もっと言えば、今、挙げました、「ストレス反応」そのものは、異常なことでもありませんし、病気でもありません。また、性格的に気が弱いから起こるわけでもありません。

「エー!」と思われたかも知れません。

では、なぜ、このような反応が起こるのでしょうか。

このような反応は、私たち人類が、差し迫った危機を回避するために、進化の途上で身に付けたものなのです。

もっと言えば、何かの危機的状況に出合ったとき、たとえば、ずっと大昔、今のように近代文明がまだ発達していなかった、私たちの祖先の頃を想像してみましょう。

その当時の人たちが、何かの食料を集めているときに、熊や虎などの害獣が近づいて来たとします。そのようなとき、

「逃げるか、それとも戦うか。」

これを瞬時に判断し、即行動できた個体、先祖のDNA、遺伝子が生き延びたわけです。

危機を逃れた、その優秀な先祖のDNAが、私たちに伝えられているわけです。

もし、危機的状況が迫ってきたとき、不安感情が起こらなければ、迫り来る害獣や危機的状況に気づかず、逃げ遅れることになります。

もし、心拍、呼吸が一気に速くならなければ、急に走って逃げられません。

体が震えることによって、戦闘態勢に速く入れます。害獣に出くわしたときに、準備体操をしていては間に合いません。

手のひらに汗をかくことによって、樹の上に逃れるときに手が滑らないわけです。

緊張すると急にトイレに行きたくなることがありますが、その理由は、排便、排尿、あるいは嘔吐によって、お腹の中にあるものを、全部、出してしまって、体重を軽くすることができれば、逃げ延びる確率が一気に高まります。

緊張すると、なぜ、指先が冷たくなるかというと、末梢の血管を収縮させることで、逃げるときに、手足に怪我をしても出血を最小限にできるからなのです。

また、食欲、性欲、睡眠欲は大きな欲望であるため、危機場面で、それを一気に捨てることができたDNAが生き延びているわけです。食欲が押さえられず、いつまでも食べ続けていたら、害獣に襲われたとき逃げ遅れてしまいます。性欲、睡眠欲も同様です。

このように、「ストレス反応」には、私たちが、迫り来る危機から、自分の身を守るために、とても重要な意味があるわけです。

●「リラックス反応」によって、ストレス状態から回復する

ただし、こんな「ストレス反応」ばかりが続いたら、人間は、まいってしまいます。

たしかに、生きている以上、ストレスはあります。

じゃあ、どうしようもないのか?

そんなことは、ありません。

私たちには、これら「ストレス状態」から回復する力を持っています。それが「リラックス反応」です。

この、休息や回復のために起こる心理的・生理的な反応を「リラックス反応」と呼びます。

この「リラックス反応」を強化し、ストレスから回復する力を強めてくれるのが、今日、ご紹介します「自律訓練法」なのです。

「リラックス反応」は生命エネルギーを蓄積する働きを持ちます。これを、専門用語で「トロフォトロ-ピック効果」と言います。ちなみに、エネルギーを放出する方は「エルゴトローピック効果」と呼びます。

ストレス状態からの回復、すなわち「リラックス反応」は、私たちが健康に生きていくために備わった自然な反応です。

「リラックス反応」では、多くは、ストレス状態のときと反対の状態が起こります。

たとえば、レジメに書いていますような

・鼓動、呼吸がゆっくりとした速さになる

・手足が温かくなる

・冷や汗がひっこみ、手のひらも渇いてくる

・消化器系の活動は活発になり、食欲が増進する

・生殖器の活動も元に戻る

・覚醒水準が下がり、眠気が出てくる

 自律訓練法を行っているときには、このような、快い自然な反応が、体に起こっています。とても気持ちいいです。

このように、これから、ご紹介する「自律訓練法」には、「リラックス反応」を自然な形で補強し、その効果を高めていく優れた効果があります。

3 「自律訓練法」の優れた特徴

「自律訓練法」の優れた特徴としましては、次のような事柄が挙げられます。

・公式が標準化されています。そのため、一定の手順で行えば誰でも習得できます。

・適用範囲が広く、医療場面以外にも応用することができます。

・技法に長い歴史がありますので信頼性が高く、健康法と言っても、薬やサプリメントではないので、副作用もほとんどありません。

・1回に必要な時間は3分~5分で、時間もかかりません。

ただし、「その3分間が惜しい!」という人は、生き方を考え直した方がよいと思います。そのような働き方を続けていたら、ストレスで倒れてしまう危険があります。

●「座禅」も効果があるが「自律訓練法」の方が簡単

ストレス対策には、「坐禅」も効果があると思います。この間、新聞を読んでいましたら、安倍首相も野党時代は、坐禅をするために禅寺に通っておられたようですね。失意の中、坐禅で精神面を鍛え、リーダーとしての資質に磨きをかけ、再度、立ち上がられたようですね。

坐禅をして、精神面を鍛えるのに、昔の鎌倉武士のように坐禅をするのも、たしかに効果があるかも知れませんが、遠くの禅寺に通うのは、忙しい現代人にとっては困難が多く、続かないことが多いのではないでしょうか。

「坐禅」は、健康な人が自分を鍛えるにはよいかもしれませんが、体の弱い方には、過酷な修行になってしまいます。

その点、「自律訓練法」は、もともと、病気の人の治療法として開発されたものですので、病弱な人でもできます。

そのような事から、3分間あれば、誰でも実施できる「自律訓練法」は魅力です。

私のような、意志の弱い人間でも、「自律訓練法」は続けることができました。

そのようなわけで、「自律訓練法」は、現在、医療機関だけでなく、産業、教育、スポーツ、一般の健康講座など、様々な領域に応用されています。

4 様々な分野で活用されている「自律訓練法」

これまでの話をまとめますと、「自律訓練法」は、現在、医療場面以外にも、休息法、ストレス緩和法、自律神経安定法、心身の調整法、自己内省法、潜在能力開発法、創造性開発法、集中力・持続力養成法などなど、さまざまな産業・社会生活の場面において役立てられています。

また、産業や企業経営の分野では、今日的な問題として注目されるようになってきたメンタルヘルス活動の具体的方法として、また創造性の開発法、等として「自律訓練法」は広く適用されるようになっています。

蛇足ですが、グーグルでは、「自律訓練法」とよく似た「マインドフルネス瞑想法」を社内研修に取り入れています。これにつきましては、また別の機会にお話をしたいと思います。

5 「自律訓練法」の一般的な効果

「自律訓練法」の一般的な効果としては、次のような事柄が、挙げられます。レジメをご覧ください。

・疲労が回復する

・過敏状態が沈静化する。以前ほどイライラしなくなる

・自己統制力(セルフ・コントロール能力)が増し、衝動的な行動が少なくなる

・身体の痛みや精神的な苦痛が緩和される

・リラックスして、よく眠れるようになる

・仕事や課題に集中しやすくなる

・自分に自信が持てるようになる

個人差はありますが、精神活動や身体の活動が安定するようになります。

お話は、このくらいにして、早速、「自律訓練法」を実際に体験してみましょう。

 ここで、「自律訓練法」の実技指導を行いました。実技指導は紙上ではできませんので省略させていただきます。指導内容は、①練習前の準備、②自律訓練法の姿勢、③受動的注意集中とは、④言語公式の用い方、⑤消去動作、⑥一日の練習回数、⑦自律訓練法を能力開発に用いるには、⑧その他の留意事項、となっています。

「自律訓練法」は、軽く目を閉じた状態で、「言語公式」と呼ばれる決まった言葉を、声を出さずに、心の中で無心に繰り返し唱えます。習得には個人差がありますので、どのくらいでできるようになるかは明確には言えませんが、第2公式までを2~3週間でクリアーされる方が多いようです。一度、実技講習を受けられれば、その後はご自分で行えます。第2公式まで出来るようになると、心と身体の「緊張」がほぐれ、リラックスした気持ちの良い状態を体験できるようになります。

●おわりに

 今日、皆様方に体験していただきました、「自律訓練法」は、個人差はありますが、3週間~2ヶ月間くらいトレーニングを続けると、確実に習得できます。そして、いったん習得しましたら、それは一生ものの「セルフ・コントロールの技術」となります。

そのためには、「自律訓練法」は日頃の健康習慣の一つとして行うことを、お勧めします。

「今日は、いいことを聞いた!今度、緊張したときにやってみます。」

では効果がありません。

「自律訓練法」は、その名のとおり、「訓練・トレーニング」というところに、意味があります。

「自律訓練法」を続けていきますと、気持ちが落ち着くだとか、自分に自信が出てくる、などのような心理面だけでなく、血圧が適正値になるとか、胃腸の調子が良くなるとか、夜もよく眠れるようになるとか、食欲が出てくる、等、生理的な面でも効果が出てきます。それは、気のせいというレベルではなく、実際に機械で測定することができます。

そのため医療機関では、この「自律訓練法」を、ストレスで体の調子が悪くなるという、いわゆる「心身症」を治すのにも使われています。ただし、その目的で行うときには、信頼できる医療機関で指導を受けてください。自律訓練法が適用可能かどうかは、医師の診察が必要です。

最後に、職場で自分専用の部屋がない場合にも「自律訓練法」を行える場所はございます。

それは、駐車場に駐めた自分の車の中、あるいは通勤のバスや電車の中、さらに職場では、水洗トイレの中という方法もあります。自律訓練法は、2~3分間あればできます。水洗トイレの中で行ったとしても、ここでしたら3分間くらいこもっていても、誰も不思議に思いませんし、迷惑もかけません。自分なりに、いろいろと工夫して、毎日、トレーニングを続けていかれることをお勧めいたします。

「自律訓練法」には今回ご紹介する標準練習の他に、練習者の課題解決、目標達成、能力開発等を更に積極的に支援する「特殊練習」というのも在ります。「自律訓練法」の上級コースになります。

今日の講演をお聞きになられまして、「自律訓練法」を習得してみたいと思われる方は、この後の懇親会に、私も参加いたしますので、お気軽に、お声がけください。お一人でしたら「とね臨床心理士事務所 カウンセリング・オフィス「ZEN」にお越しになられても結構ですし、もし4~5人、受講者が集まるようでしたら、私の方から、会場に出張していくことも可能でございます。どうぞ、お気軽にお声がけください。

長時間のご静聴、誠にありがとうございました。

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●講演会が紹介された新聞記事

 

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by Konomachi Inc.